投資としての保険 その1

保険

新卒で入社したばかりの頃、保険会社のおばちゃんが普通に会社に出入りをしていて、そういう人たちに勧誘されて保険に入るのが当たり前の時代でした。1980年代です。

勧められた保険は、住友生命の定期付終身保険。今はスタンダードではないかもしれませんが、当時はこの保険がスタンダードだったと思います。掛け捨ての定期保険と貯蓄性のある終身保険を合体させた商品です。月々の掛け金は15,000円で死亡保険金が5,000万円というものですが、一定期間(たぶん10年)を経過すると満期となり、更新する場合は掛け金が増額されるというものです。

おばちゃん達は、良い割合の歩合を得るために、会社から言われた通りにこれを売るのです。ユーザーのことは何も考えていないでしょう。当時の私は何も分からなかったので、疑いもせずこの保険に入りました。

その後、30代前半、会社の同僚にソニー生命の営業マンを紹介されました。保険の勧誘員といえば女性だったのに、ソニー生命の営業マンは男性でした。新鮮でした。

それまでに、私は上述の定期付終身保険以外に、同じ住友生命の個人年金保険にも入っていました。当時はバブル全盛時代で、会社の経費でキャバクラに行き上げていたのですが、お気に入りのキャバ嬢が昼間は住友生命の勧誘員をしていたのです。

何とかその子と仲良くなりたいと思ってその保険に入ったのですが、未だに止めていません。来年65歳になる前月で払込が終わります。内容は、月々15,000円の掛け金で、65歳以降死ぬまで年849,900円が年金として支払われるものです。今考えると良い保険ですね。

ソニー生命の営業マンは、まず定期保険、終身保険、養老保険の3つがどのような保険かを説明してくれました。目から鱗でした。

そのうえで、私が入っている保険に対し、定期付終身保険については、独身だから多額の死亡保険金は不要、掛け金のほとんどが掛け捨てであるため、満期が来ても返戻金は少額、ということで、掛け金は同額、死亡保険金は1,500万円、一定期間を経過すると払込金額より解約返戻金の方が多くなるという終身保険を勧められ、住友生命の定期付終身保険からソニー生命の終身保険に乗り換えました。

一方、個人年金保険については、良い保険だから解約しないで下さいとアドバイスを受けました。信用できるアドバイスです。この保険、単純計算で月15,000円だから年に180,000円、払込期間が32年なのでトータルの払込金額は5,760,000円ですから、7年弱で回収できるわけです。たぶん今は、こんな割の良い個人年金保険はないのではないでしょうか。調べてみたら、当時の郵便貯金の年利が2%弱だったので実現できた商品なのだろうなと思います。

ただ、同じ額を同じ期間S&P500連動投資信託に積立投資して、同じ年金額を取り崩した場合とではどちらが得か、ということに関しては、後日検証してみたいと思います。

次回に続きます。

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